KPMG・クニエ創設の立役者が描く、原点回帰のピュアコンサル―全社員出資型ファームの挑戦に迫る/CEO勝俣利光インタビュー(3)
2025年05月15日 22:19
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ショーリ・ストラテジー&コンサルティング株式会社 CEO 勝俣利光様 インタビュー/KPMG・クニエ創設の立役者が描く、原点回帰のピュアコンサル―全社員出資型ファームの挑戦に迫る
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「本当にやりたかったコンサル」が見つかる受け皿に
遠藤
幹部クラスから若手まで、さまざまなバックグラウンドの方がジョインされているとのことですが、改めて、どういった方に仲間になってほしいとお考えですか。
勝俣様
まずお迎えしたいのは、実力と経験を兼ね備えたリーダー層の方々です。チームをゼロから立ち上げ、自らプロジェクトを動かしていきたい。そんな“現場感”を大事にしている方々と一緒にこれからの組織を作っていきたいと考えています。幹部候補のポジションはまだまだありますし、今後も多様な“マイスター”をお迎えしていきたいと思っています。
また、若手の方々にとっても、大きなチャンスがある会社だと思います。マイスターたちは皆、「タイトルにはこだわらない。シニアコンサルレベルの方でも自分が面倒を見る」と口をそろえてくださっていて、実際にその言葉通り、積極的に後進を育ててくださっています。実力さえあれば、ピラミッド型ではないフラットな組織でスピーディーに頭角を現せるのも大きな特長です。
遠藤
特にどんな課題意識を持つ方にとって「フィットする環境」なのでしょうか。
勝俣様
私どもの会社に共感してくださっている方の多くは、「もっと本質的なコンサルがしたい」と感じている人たちです。たとえば、大手コンサルティングファームではITプロジェクトに配属されることが多く、そこで何年も過ごすうちに、自分のスキルのタグが“IT専門”に固定されてしまうことがあります。また、お客さまの指示のもとで動く派遣型のスタイルだと、そのお客さまのスキルレベルの枠内でしか仕事ができず、コンサルタントとしての裁量や思考力を磨く機会が限られてしまう。
くり返しますが、本来コンサルティングは“課題そのもの”に向き合い、お客さまの未来を一緒につくる仕事です。私どものファームでは、そうした“手触り感”のある現場に立てる環境を整えています。プロジェクトの構想段階から関われ、戦略・業務・会計など多様な領域で自分の力を発揮できる。「これがやりたかった」と、入社してから本来のやりがいを取り戻している人も多くいます。
遠藤
若手にとっても「手応えのある成長環境」があるということですね。
勝俣様
はい。たとえば、外資系コンサルの新卒や中途で3~4年目前後の方など、もともと戦略や業務コンサルを志望していたのに、気づけばIT一辺倒になってしまった方。そのまま社内での異動が難しく、他の会社に移ってもまた同じようなIT案件にアサインされてしまう。そんな悩みを持つ方にとって、私どもの会社は新たな選択肢になれると思っています。
また、事業会社で経営企画や財務、物流、生産部門などにいた方も歓迎しています。いわゆる“コンサル未経験”でも、マイスターが直接指導し、早い段階で実践経験を積ませるので、コンサルとしてスムーズに育っていける環境です。実際に「事業会社の課長手前くらいのクラスを育てていこう」という話も幹部内で共有されています。
遠藤
では、スキル以外に「求める志」や「マインドセット」はありますか。
勝俣様
特にこの2~3年は、“創業メンバー”として参画してくださる方を求めています。全員にコンサルティング業務に取り組んでいただきますが、「自分がコンサルタントとして1番成長できる場所はどこか?」と考えたとき、私どもの環境がその答えになる、そんな会社を目指しています。
また、現在私どもは、まさに会社として走りだしたばかりで、オフィスすらまだまともに構えていません。しかし、だからこそ自分たちの手で会社をつくっていく面白さがある。先日、あるアメリカ人から「あなたたちの会社は、AppleやDellの創業期にそっくりだ」と言われたのが非常に印象的でした。ベンチャーならではの熱量を持って、一緒に汗をかきながら未来を築いていける、そんな仲間と出会えたらうれしいですね。
社会課題先進国・日本から、知見をグローバルに展開
遠藤
2025年4月には新卒30名が入社予定とのことですが、中長期の成長戦略をどのように描いていますか。
勝俣様
現在、上場を1つの通過点と見据え、7〜8年以内に社員1,000名規模の組織を目指しています。採用ペースとしては、年間100〜150名の純増を想定しています。退職者が多く出る体制ではなく、定着率の高いファームを志向しているので、「採用数=純増数」となるような成長を描いています。
新卒は来年以降は毎年50名程度の採用を見込んでおり、今年は設立初年度にも関わらず2024年新卒採用では、内定者の6割が東大・京大出身者で、非常に優秀な人材が集まりました。知的能力に加えて、リーダーシップや社交性、創造性にも富んだ人が多いのが特徴で、ベンチャー企業ならではの環境がその魅力として伝わっているのだと思います。
遠藤
海外展開についても視野に入れていらっしゃいますか。
勝俣様
はい。日本は、いわば“課題先進国”です。企業も社会も他国に先んじて複雑で困難な問題に直面しています。だからこそ、私どもが日本で向き合い、乗り越えてきた知見やアプローチは、今後同様の課題に直面する海外の国々にもきっと役立つはずだと思うのです。
現地のパートナー企業と連携しながら、「日本ではこうした課題に、こう立ち向かった」という事例を届けていく。日本発のコンサルティングファームとして、グローバルにも価値を届けていきたいと考えています。
遠藤
今後のグローバル展開についての構想も教えていただけますか。
勝俣様
まずは東南アジアや中国など、日本企業の進出が多い地域から拠点を拡大します。そして、北米・ヨーロッパも重点的に進めていく予定です。実際、北米にはアジア以上に日系企業が多く、コンサルティング需要も非常に高いため、早い段階で注力したいと考えています。
ただし、いきなり大規模な展開を狙うのではなく、小さな拠点を1つずつ着実に立ち上げ、現地で力をつけて拡大していく方針です。欧米では現地ファームとの提携や合弁、場合によっては買収も視野に入れています。また、将来的にはインドやアフリカといった新興国にも挑戦したいと考えています。こうした地域は物価が低く利益率の観点では難易度もありますが、社会的意義のあるチャレンジだと思っています。
最終的に、日本では2,000名規模までの成長を想定しています。グローバルではその何倍かになりますが、ITの実装を行わない「真水」のコンサルティングに特化しているため、必要以上に人数を増やすつもりはありません。一人ひとりが価値あるコンサルタントとして成長し、世界中のクライアントに向けてインパクトを届けていく──。それが私どもの描く未来です。
----[以上アクシスコンサルティング社様HPの記事を全文掲載させていただきました] ---
AXIS Business Insight 注目企業紹介 https://insight.axc.ne.jp/article/company/4283/